研究概要 |
液体中の音響キャビテーション気泡からの発光(ソノルミネセンス)機構について研究した。特にNa, Kなどのアルカリ金属原子からの発光に注目し,発光スペクトルの溶解ガス依存性,温度依存性,周波数依存性などから発光場所,発光に至るまでの過程を調べた。高速度カメラを用いて気泡ダイナミクスを測定し,発光パルスとダイナミクスの関連も調べた。アルカリ金属発光は,これまで気泡内部の気相,あるいは気泡壁/液体界面の液相のどちらで発光しているか不明であったが,本研究結果から気相から発光していると結論づけた。さらに,発光は気泡内高密度の影響を受けブロードニングとエネルギーシフトした成分と,ブロードニングもエネルギーシフトもしていない成分の2つから成ることを解明した。後者の成分は発光機構の更なる解明につながる新しい成果で,今後の研究課題である。
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