研究課題
大型核融合装置におけるミリ波加熱装置や工業用の高周波加熱装置のトータルな効率改善に大きく寄与するために、コルゲート導波管などからなる定常大電力ミリ波の伝送系の伝送効率を、より実際の稼働状態で評価できるシステムを構築する。そのために伝送中の定常大電力ミリ波の強度分布及びビーム中心位置を実時間で、大電力ミリ波の伝送を乱すことなく計測できるシステムを構築することを目的としている。特に電子サイクロトロン共鳴加熱で使用されている長距離伝送路は、1MW級の大電力を定常で伝送する必要があり、そのため主要伝送路を構成するコルゲート導波管内は通常真空排気されている。さらに発生熱を除去するためには、全系に渡る十分な冷却が必要である。そのため本定常大電力ミリ波の実時間強度分布モニタに要求される性能は、主要伝搬モードであるHE11モードのミリ波を低損失で伝送でき、且つ不要モードへのモード変換起こさず、冷却が可能で、さらに真空封じできる構造であることが必要である。本年度は、90度マイターベンドの反射板部に構成、設置できるように、厚さ1mmの銅板からなる反射板部に、20個のペルチェ素子をアレイ状に配置し、ヒートシンクを設置し、上記の性能を満たしつつ、反射板での抵抗損失による発熱を除去すると同時に、発熱分布を測定できるように分布モニタを製作し、実証試験を行った。ペルチェ素子を直流定電流電源により定電流動作させ、各素子の電圧値の変化を多チャンネルADコンバータにより取得し、制御・データ収集用パソコンにより解析することにより、各点での温度情報、すなわちマイターベンド反射板上でのミリ波の強度分布を取得できることが実証された。同時に実際のミリ波入力分布形状で非定常熱解析を行い、熱除去の可能性、空間分解能などを含め、素子の冷却能力、数の最適化を検討した。
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