研究概要 |
多体問題を解析するために通常の時間積分法を用いると、計算時間(CPU時間)は概ね粒子数の三乗に比例する。三乗のうち、二乗は粒子間力の計算に必要で、残りの一乗は時間積分にかかる時間である。この種の解析を高速化するために、これまでは粒子間力の計算のために、精度をできるだけ落とさないアルゴリズム、あるいは専用ハードウエアが開発されている。本研究で提案している二体相互作用近似(Binary Interaction Approximation:BIA)では、粒子間相互作用を二体問題の重ねあわせで近似するため計算時間は原理的に粒子数の二乗でしか増えない。 前年度までに、二体の相対運動が双曲線(全エネルギが正)の場合と楕円(全エネルギが正)の場合のコード整備を行った。 今年度は、未整備であった二体の相対運動が放物線(全エネルギが正確に零:非常に稀にしか起きない)のコードを整備した。この放物軌道コードについては、はじめに通常の逐次コード(CPU上で実行される)を開発し、その後GPU上で実行されるGPGPUコードも併せて開発した。この場合、系全体の運動の恒量である運動量、角運動量および全エネルギは、倍精度計算(有効桁数15)での有効数字で12桁の精度で保存されていた。その成果の一部は第20回国際土岐コンファレンス(たとえばR.Ueda,Y.Matsumoto,M.Itagaki,and S.Oikawa,ITC-20,Toki,2010)で発表し、Plasma Fusion Res.誌で公表した。
|