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2010 年度 実績報告書

リスク証券化の社会的影響分析と工学的見地からの最適管理方策

研究課題

研究課題/領域番号 21560066
研究機関京都大学

研究代表者

田中 泰明  京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90217068)

キーワードリスク解析 / リスク証券化 / 確率モデル / 高速シミュレーション / 最適管理方策 / 確率微分方程式 / 確率制御
研究概要

本研究では,リスクの証券化とそれに関連する解析を念頭に置いて,様々なリスク要因に対応し得るために,基本となる確率システムの基本雑音(駆動雑音)をLevy過程およびその自然な拡張(Cox過程などの二重確率要因が含まれる場合)にまで拡張することを基本方針としている.すでに昨年の研究において,このような拡張が有効である事例については考察してきたが,今年度は特に,構造材料の損傷度の成長現象と,住宅ローンなどのローンプールの時間変動について,このような基本雑音の拡張が有効であることを確認することができた.本研究の主題の下で雑音の拡張を行うと,微小なリスク事象生起確率の精度良い推定と,最適管理方策を行う上での最適化手法の適用,の2点が重要となる.まず微小生起確率の推定については,昨年度から引き続き行なってきている確率測度変換法による高速シミュレーションスキームの開発について,Levy過程に対応し得る数学的な基本枠組みの構築が今年度の研究でおよそ達成し得た.また,対象とするシステムが非線形である場合の対処法についても成果を得ることができた.今後はシミュレーションスキームの整備が必要であり,これについては,次年度以降で主に考察する予定である,各種応用事例ごとに個別に考察していく予定である.一方,最適化手法の適用については,確率制御理論を基本手法に位置付けた理論的な考察を行い,社会インフラの長期に渡るメンテナンスプログラムへの適用について基本的な考察を与えることができた.この考察は,一種のリアルオプション的な観点に立ったものであり,本研究の主テーマの1つである,証券化されたリスクの最適管理方策についての考察に,直接繋げることができると考えられ,これについては次年度考察する予定である.なお,今年度の考察は非常に簡単なモデルに基づいたものであり,次年度以降の研究では,この点に証券化したリスクを取り入れた考察に進めていくことを計画している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Probabilistic Model for Damage Accumulation in Concrete Tunnel Lining and its Application to Optimal Repair Strategy2011

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Tanaka, Osamu Maruyama, Atsushi Sutoh
    • 雑誌名

      Applications of Statistics and Probability (Proc.of ICASP 2011)

      巻: (CD-ROM 掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 非線形耐震応答解析に対する高速シミュレーションスキーム2011

    • 著者名/発表者名
      田中泰明
    • 学会等名
      第60回理論応用力学講演会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都)
    • 年月日
      2011-03-08
  • [学会発表] 2つのトランシェから構成されるMBSの信用補完について2011

    • 著者名/発表者名
      田中泰明
    • 学会等名
      日本応用数理学会2011年研究部会連合発表会
    • 発表場所
      電気通信大学(調布市)
    • 年月日
      2011-03-07

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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