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2010 年度 実績報告書

材料深部き裂の検出とき裂近傍ひずみマッピングを可能とする白色X線システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21560074
研究機関北見工業大学

研究代表者

柴野 純一  北見工業大学, 工学部, 教授 (60206141)

キーワード白色X線 / 高エネルギーX線 / シンクロトロン放射光 / き裂 / ひずみ / X線CT / 非破壊評価
研究概要

白色X線による内部き裂近傍のひずみマッピングの高精度化やCTによる内部き裂検出とき裂近傍ひずみマッピングの統合測定システムの検討を行う過程で得られた主な成果を以下に示す。
1) 塑性変形によるNbTiNi系複相合金の相ひずみと結晶構造の変化
白色X線法の利点の一つである「同時に複数の異なる結晶系材料のひずみ測定」の可能性を検証した。その結果、(Nb,Ti)相が先に降伏しTiNi相がその分荷重を負担する挙動や(Nb,Ti)相の顕著な塑性異方性を明らかにすることができた。また、B2構造のTiNi相がひずみ5%以前から一部B19'構造へ変態していることが示唆された。CTにより各相の分離を試みたが、コントラスト不足のため分布を明らかにすることは困難であった。
2) ノッチを有するアルミ単結晶の延性破壊進展
延性破壊の進展の結晶方位依存性を検証するため、結晶方位が明らかで片側ノッチを有するアルミ単結晶の引張り試験を行いノッチ先端近傍のひずみと半価幅の変化を追跡した。その結果、結晶損傷と密接な関係を持つ回折X線プロファイルの半価幅の増大領域がノッチ先端近傍から約45°方向に進展していることが明らかになった。この進展方向は有限要素解析により得られた延性損傷進展方向や実験後に視認できたすべり帯とほぼ一致した。
3) 骨組織内部のチタンネジ先端近傍のひずみ測定
牛大腿の皮質骨から採取した幅15mmの試験片にβチタン製のM3ネジを埋入し圧縮力を負荷しながらネジ山近傍の負荷方向ひずみをマッピングした。その結果、骨組織側ではチタンネジ山近傍に圧縮ひずみが測定された。しかし本実験で用いた回折角が5°であったため、得られた結果は極めて細長い測定領域の平均値となった。測定分解能を高めるための検討を引き続き行う。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Strain measurement of aged duplex stainless steel using SR white X-rays2010

    • 著者名/発表者名
      K.Kiriyama, T.Shobu, J.Shibano, T.Fujishiro, H.Kaneko, S.Miura
    • 雑誌名

      Materials Science Forum

      巻: 652 ページ: 161-166

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Strain measurement near fatigue crack in ultrafine-grained steel by polychromatic synchrotron radiation2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Akiniwa, H.Kimura, J.Shibano, K.Kiriyama, T.Shobu
    • 雑誌名

      Materials Science Forum

      巻: 652 ページ: 290-295

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 放射光白色X線によるラット大腿骨のCT観察と骨内部のひずみマッピングの検討2010

    • 著者名/発表者名
      柴野純一、梶原堅太郎、桐山幸治、菖蒲敬久、清谷真平
    • 雑誌名

      平成20年度・21年度SPring-8重点メディカルバイオ領域課題成果報告書

      ページ: 155-157

  • [学会発表] 放射光白色X線によるNbTiNi系複相合金の相ひずみと結晶構造の検討2010

    • 著者名/発表者名
      柴野純一、鈴木孝是、三浦節男、桐山幸治、菖蒲敬久、石川和宏、青木清、小林道明
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2010材料力学カンファレンス
    • 発表場所
      長岡
    • 年月日
      20101000
  • [学会発表] 放射光白色X線による骨組織内部ひずみ測定2010

    • 著者名/発表者名
      柴野純一、清谷真平、梶原堅太郎、桐山幸治、三浦節男、小林道明
    • 学会等名
      日本材料学会第59学術講演会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20100500
  • [学会発表] NbTiNi系複相合金の塑性変形による相ひずみ・結晶構造変化2010

    • 著者名/発表者名
      内木場竜二、鈴木孝是、柴野純一、三浦節男、桐山幸治、菖蒲敬久、石川和宏、青木清、小林道明
    • 学会等名
      日本材料学会第59学術講演会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20100500
  • [学会発表] 熱処理条件の逢いによる2相ステンレス鋼の回折ひずみ特性変化2010

    • 著者名/発表者名
      桐山幸治、菖蒲敬久、柴野純一、藤城智之、金子洋、三浦節男
    • 学会等名
      日本材料学会第59学術講演会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20100500

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公開日: 2012-07-19  

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