研究課題
ナノ粒子の気相成長は、通常、容器内浮遊状態で行われることが多い。この場合、各ナノ粒子は速度を有して飛翔しつつ衝突を繰り返しながら成長する。したがって、ナノ粒子の合体過程において速度の影響を評価しておくことは、合体による粗大化の機構を調べる上で重要である。本年度は、Auナノ粒子とCuナノ粒子の合体過程におけるナノ粒子速度の影響を調べた。まず、同一サイズのAuナノ粒子とCuナノ粒子に対して、ある一定温度において平衡化を行い安定構造を得た。次に、一定距離だけ離れた位置に2個のナノ粒子を配置し、2個のナノ粒子の中心線上、相手のナノ粒子の向きに速度を持たせて計算を開始した。2個のナノ粒子は接触したのちに合体を開始する。ナノ粒子の原子数は147個、561個の2種類、温度は300K、500K、700K、900Kの4種類でシミュレーションを行った。その結果、ナノ粒子速度が10^<-6>Å/fs~10^<-2>Å/fsの範囲において合体によって得られる最終形態は、速度がゼロの場合と同じく、エピタキシャル構造、コアシェル構造、合金構造の3種類であること、この3種類の最終構造に至るまでの時間はナノ粒子の速度の大きさにそれほど影響されないことを明らかにした。また、グラフェン上のナノ粒子の形態安定性を調べるための準備段階として、グラフェンの変形機構の基本的特性について調べた。
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Materials Research Society Symposium Proceedings
巻: Vol.1297 ページ: Mrsf-1297-p10-20(6pages)
巻: Vol.1297 ページ: Mrsf-1297-p10-21(6pages)