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2010 年度 実績報告書

褥瘡発症の力学的メカニズムの解明と褥瘡予防機器の最適設計

研究課題

研究課題/領域番号 21560083
研究機関金沢大学

研究代表者

坂本 二郎  金沢大学, 機械工学系, 教授 (20205769)

研究分担者 須釜 淳子  金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
キーワード機械工学・材料力学 / 生物・生体工学 / バイオメカニクス / 医療・福祉 / シミュレーション工学
研究概要

本研究では,褥瘡発症の力学的メカニズムを明らかにし,褥瘡予防機器を改良してその予防効果を大いに高めることを目的としている.平成22年度は,前年度に引き続き,皮膚圧迫による皮膚内部の血管の変形を求める力学解析モデルの作成と,それに対応した動物実験との比較検証を行った.さらに,褥瘡予防機器を想定したねたきり患者の力学モデルの作成と力学解析を行った.
皮膚内部の血管を考慮した解析で得られた血管閉塞状態を,実験で得られた組織の損傷状態と比較した,解析では,昨年度に開発した,血管を内包するミクロモデルにマクロモデルの変形を反映した境界条件を与え毛細血管の応力・変形解析を行うマルチスケール解析法に,有限要素の内挿関数を用いてより境界条件を正確に反映するような改良を行った.解析では,圧縮主応力が高い筋組織において血管断面積の最大減少率は約12%で,必ずしも毛細血管が閉塞するには至らない結果となった.圧縮主応力も褥瘡発生の指標とされるヒト毛細血管内圧の4.3KPaを下回っていた.実験でも筋組織の層では一部に出血痕が見られるものの褥瘡までは発生しておらず,毛細血管は閉塞に至らずとも虚血に近い状態であることを示した解析は妥当と考えられる.提案したマルチスケール解析法の有効性から,詳細な血管分岐網モデルまでを作成する必要は無く,むしろ分岐部の形状をミクロモデルに反映させる解析の方がより効率的であることがわかった.
褥瘡予防機器を想定したねたきり患者の力学モデルについては,まず,マットレスから身体に作用する力や筋力を計算するための筋骨格モデルを作成し,仰臥位で腰部に作用する力を求め,実験と比較してその有効性を確認した.さらに,骨盤などの骨と軟組織からなる腰部有限要素モデルを作成し,これに筋骨格モデルで得られた荷重を与えて力学解析を行った,解析モデルの妥当性については平成23年度に検討する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Development and validity of a new model for assessing pressure redistribution properties of support surfaces2011

    • 著者名/発表者名
      Matsuo, J, Sugama, J, Sanada, H, Okuwa, M, Nakatani, T, Konya, C, Sakamoto, J
    • 雑誌名

      Journal of Tissue Viability

      巻: 20-2 ページ: 55-66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 褥瘡対策 体圧分散寝具の選び方と使い方2010

    • 著者名/発表者名
      松尾淳子, 須釜淳子
    • 雑誌名

      難病と在宅ケア

      巻: 16-7 ページ: 61-65

  • [学会発表] ラット皮膚の褥瘡発生実験における皮膚の応力評価2010

    • 著者名/発表者名
      坂本二郎, 竹中一博, 記村美恵子, 須釜淳子
    • 学会等名
      日本機械学会 第23回計算力学講演会
    • 発表場所
      北見工業大学(北海道)
    • 年月日
      2010-09-24
  • [学会発表] 枕高さの生体力学的検討(頭部高さが筋張力に与える影響について)2010

    • 著者名/発表者名
      田井遙, 福井悠, Kayla Huerta, 坂本二郎
    • 学会等名
      日本設計工学会北陸支部 平成22年度研究発表講演会
    • 発表場所
      富山県立大学(富山県)
    • 年月日
      2010-06-26

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公開日: 2012-07-19  

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