研究概要 |
衝撃荷重下でのリングクラック強度評価法を確立するための一つとして,衝撃エネルギ評価のための振り子式試験装置の開発を試みた.衝撃荷重に対するリングクラック発生荷重を測定し,静的接触試験との比較により,その妥当性について検討した. セラミック球をハンマーに取り付けるため,ハンマーに穴を開け,しまりばめを用いて球を固定する方法とした.アーム,ハンマー,ベアリングは互いに芋ねじを用いて固定し微調整できるよう工夫した.また,振り子の回転部分にはベアリングを用い,摩擦は極力小さくなるようにしている. 衝撃接触試験において,ハンマーを振り下ろし,衝突後の球面に半円リングクラックが確認できた.また,このときの衝撃荷重はヘルツの弾性接触理論と運動方程式より導いた式より求めた.振り子式衝撃試験においてリングクラック発生荷重は,静的接触試験に比べて低い値を示す結果となった.これは球が芯-芯で衝突していないためであると推察される.過去の研究において球-平板の斜め接触において,接触角が大きくなるとともにリングクラック発生強度が急激に低下することがわかっている.今後,球-球偏心接触におけるリングクラック発生強度を明らかにする必要がある.
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