研究概要 |
落錘型衝撃試験装置における斜め接触において,接触角度とリングクラック発生荷重の関係は接触角度の増加に伴い静的試験および衝撃試験共にリングクラック発生荷重を減少させる傾向を示した.これは球-平板の試験結果と同様の結果を示した.また,接触角度の増加に伴うリングクラック発生荷重の減少率は静的試験および衝撃試験共にほとんど変化はなかった. 振り子式衝撃試験のリングクラック径は接触角度の増加と共に緩やかであるが減少した.また,振り子式衝撃試験におけるリングクラック径は落錘型衝撃試験の結果に従っていることがわかった.よって,試験方法が異なっても,リングクラック発生機構は変化しないと推察される.すなわち、ある接触円に達した時にヘルツの応力が発生する.このときに発生するヘルツの応力は球径および接触角度が同条件であれば試験方法によらず等しくなり,リングクラック破壊はき裂依存型破壊であるため破壊靱性値を超えた時に破壊が起こると考えられる.よって,衝撃接触条件による差が,振り子式衝撃試験におけるリングクラック発生荷重が落錘型衝撃試験に比べて低い値を示した原因のひとつであると考えられる.
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