モアレ縞の位相分布を解析できる位相シフトサンプリングモアレ法をマイクロフォーカスX線透視画像に適用し、電子パッケージ内部のひずみや応力分布を非破壊で計測、評価する技術の開発を行った。当該年度は、4点曲げ負荷試験による本計測手法の妥当性確認、および実際の樹脂封止型電子パッケージへの本手法適用と検証を行った。 まず、モアレ縞を得るためのパターンを作製したシリコンウェハを短冊状に切り出して、4点曲げ試験片を作製した。この試験片を用いて4点曲げ負荷試験を行い、負荷時の試験片パターンの撮像(デジタルカメラによる可視光)を行った。この撮像画像に対して本手法(位相シフトサンプリングモアレ法)によるモアレ縞の取得とその位相接続を行い、4点曲げ負荷荷重と比較することによって、本研究で作製した解析アルゴリズムやモアレ縞取得のための試験片、および解析手法の妥当性を確認した。 次に、実際の樹脂封止型電子パッケージ(Quad Flat Package:QFP)に本研究で作製した撮像用テストチップ(モアレ縞を得るためのパターンが形成されたテストチップ、3mm角および6mm角、厚さ0.3mm)を実装した。このテストチップをマイクロフォーカスX線透視装置によって撮像し、本手法(位相シフトサンプリングモアレ法)を適用してモアレ縞の取得とその位相接続を行った。電子パッケージ実装前の撮像画像から得られるモアレ縞(位相接続)と比較し、電子パッケージ実装前後でモアレ縞の位相差を検出することに成功した。
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