研究概要 |
本研究は,板金プレス加工による自動車車体などの複雑な形状をもつ製品の板厚の,高速高密度の自動測定と評価を行うシステムを提案するものである.測定装置としては精度が高く非接触式のレーザ変位計と,自由な位置決めを可能とする産業用ロボットを用い,評価にはAR(Augmented Reality:拡張現実)技術を応用した提示装置を用い,正確かつ直感的な評価を可能にする. 平成22年度は,それまでに作成したARを用いた表示インタフェースの開発試作システムで板厚測定の際に計測部位の位置座標を板厚と共に記録し,それを利用して3次元表示を行うことができ,従来の2次元表示と比較すると,有用性が高くなったことを確認したので,実用化のためにこれをAR技術を用いて更に拡張した.例えば,製品を撮影した画像と取得した板厚情報をシステム内で合成し,HMDを通して観察すると,あたかも製品表面に板厚情報が付随しているようなイメージで表示でき,しかも作業者が製品の実物を動かすと,それに連動して表示も動き,評価に必要な任意の角度で観察ができる,などの直感的でシンプルな表示インタフェースを開発することができた.
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