研究概要 |
本研究は,板金プレス加工による自動車車体などの複雑な形状をもつ製品の板厚の,高速高密度の自動測定と評価を行うシステムを提案するものである. 測定装置としては精度が高く非接触式のレーザ変位計と,自由な位置決めを可能とする産業用ロボットを用い,測定データの評価にはAR(Augmented Reality:拡張現実)技術を応用した提示装置を用い,正確かつ直感的な評価を可能にする. 平成23年度は解析用機能の実装と,その評価用に開発したインタフェースの実用化と,それによる測定対象製品サイズ拡大の検討を行うこととした.しかし,測定に際して測定原理通りに測定点に対して垂直にレーザを照射して測定を行う場合,測定対象物の形状によってはレーザと測定対象物が干渉して測定が行えないことがあることが判明した.そこで測定用レーザの照射姿勢を変化させて干渉を回避した測定を行うこととし,まずその際の測定精度への影響を明らかにすることとした.その結果,測定姿勢の変化に対しての測定誤差の特性分析に基づき,その際の姿勢角度をC-Space上に表現することで誤差特性を考慮した上での用いた干渉回避を行うシステムを開発した.この改良により,複雑な形状やより大きなサイズの測定対象物に対しても測定が可能となり今年度目標の,測定対象製品サイズ拡大を行なうことができた.
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