研究概要 |
代表研究者らは,軸外形制御の軸肥大加工法を用いたニューコンセプトのニア・ネット・シェイプ加工法を提案した.従来の軸肥大加工法により肥大させながらその肥大部外周を金型で外形制御し,肥大部の外形を円柱形状,多角形状や段付き形状など,さらに歯形に成形させる.外形寸法精度の向上,肥大加工後の切削工程の省略や歩留り向上などを確実に実現し,革新的なニアネットシェイプ加工技術を確立することを目的とする.高品質でコスト低減に役立つニアネットシェイプ品を目指し,基礎研究および工作機械の開発を着実に進めている.科学研究費補助金交付期間(H21~H23)の2年度目である今年度では,昨年度の調査・実験を引続いて行い,具体的な研究成果を下記のように挙げている. 1.成形加工機・金型の改良 昨年度の調査・実験で得られた新しい知見や今年度のシミュレーション解析結果などにより,肥大加工部の成形精度および金型寿命の向上のため,加工機および金型を改良した. 2.加工品の強度検証および長期信頼性評価の実施 引張試験や疲労試験などの材料試験により,加工中の機械的損傷の有無を調べて発生メカニズムを究明し,機械的損傷を伴わない加工条件を明らかにした.また,長期信頼性観点から製品としての供用寿命を予測した. 3.有限要素法(FEM)によるシミュレーション解析手法の開発とデータベースの構築 金型費低減のための金型寿命の向上と金型製作費の低減,さらに高精度化に対応するニアネットシェイプ加工の開発費用の節減と開発期間の短縮などのニーズに応じ,実験のみならず有限要素法によるシミュレーション解析を行った.用途に応じた最適な金型設計・加工条件を検討した.
|