研究概要 |
前年度までにパソコンにより実行できるシミュレーションソフトを製作し,機構の運動を解析し,試作を行っている.そこで,本年度はこれらの装置の評価を行うための測定装置やさらに改良を行うために効率の良い設計プログラムの開発を行った. 本補助金では主に(1)乗用型歩行補助装置(訓練器),(2)装着型歩行補助装置の開発を行っている. 乗用型の歩行補助装置でのペダル踏力測定を可能とする測定装置の製作や発光するLEDを高速度カメラで撮影することで,測定点の軌跡を得るプログラムの開発である. また,これまで乱数により機構の設計パラメータの生成し選択していた手法(ランダム探索)を,装着型の歩行補助装置では,遺伝的アルゴリズムを用いた手法をプログラム化し,設計の変更をより短時間で行えるようにしている. これらのシステムにより,乗用型の歩行補助装置では,車輪の出力トルクをより大きく得るためにカム機構の追加を行っている. 装着型の歩行補助装置では,足裏を補助する機構となるが,その構造を変更しながらも比較的短時間に設計変更を行うことができている. また,筋電位を計測することで,装置使用時において,どの筋肉の活動量に変化が見られるかを確認し装置を使用することで負担が軽減している筋肉がある一方,逆にバランスを取るために活動量が増加した筋肉があることを確認した. (1)および(2)いずれの装置においても,必要な動作を機構の出力で得るという点に関しては,進展が見られる.
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