研究概要 |
本補助金により, (1)装着型歩行補助装置,(2)乗用型歩行補助装置(訓練器),(3)立ち上がり補助装置, (4)メカニカルサポータともいうべきもので,脚部の特定関節の補助装置 の開発を行ってきた. (1)については,昨年度までの問題として,装着しての歩行時にバランスがとりにくいという問題に対し,足裏面が地面に平行となるような歩容を採用することで改善を試みた. (2)については,駆動時に必要となる踏力を減少されるため,スライダ部の改善を行い,昨年採用したカム機構によるトルク補助装置を用いることなく同程度以上の踏力低減を実現した.カム機構には高いばね定数のばねを使用していたため,構成部品に高い接触面圧を与えることになり,耐久性に問題があったが,これを不要とすることができた. (3)については,床からの立ち上がり装置の開発を行うため,駆動時に必要となる駆動トルクのシミュレーションモデルを構築した. (4)については,ばねの弾性エネルギを利用し,歩行時の股関節を補助する装置の製作を行い,ジャイロセンサにより大腿部の加速度を計測することで一定の効果は確認できた. 今年度の実施計画では,実現させる動作とそれを得るのに必要な駆動トルクを課題として挙げていた.(1)については採用する歩容を変更することや機構定数の微調整で,上記2つの問題の折り合いをつける1つの可能性を示したといえる.(2)については,スライダの構造を変更することで,ペダル踏力のピーク値はさげることができた.ただ,いずれの場合でも,必ずしも十分とは言えず,駆動力に関しては改善の余地が大きい.
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