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2010 年度 実績報告書

誘電緩和測定による潤滑グリースのダイナミクスの評価

研究課題

研究課題/領域番号 21560144
研究機関東京工業大学

研究代表者

鈴木 章仁  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (30235931)

キーワード潤滑グリース / 誘電緩和 / 増ちょう剤 / 網目構造 / レオロジー / 緩和時間
研究概要

本研究では,潤滑グリースに対して誘電緩和測定を適用し,潤滑グリースを構成する増ちょう剤と基油の運動性を誘電緩和特性から評価するとともに潤滑グリースのレオロジー特性との関連性を明らかにすることを目的としている.平成22年度は,基油にポリオールエステル,増ちょう剤に12-ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いて試料グリースを作製し,その誘電緩和特性をLCRメータを使用して20Hz~2MHzの周波数範囲で測定した.その結果,グリース中の基油と増ちょう剤の誘電緩和が独立して観測されることが明らかとなった,増ちょう剤の誘電緩和時間の温度依存性はArrhenius式にしたがうことが確認され,その活性化エネルギーは約38kJ/molであった.一方,グリース中に存在する基油の誘電緩和時間の温度依存性はVogel-Fulcher-Tammann(VFT)式にしたがい,基油が単体として存在する場合の温度依存性に近いことが明らかとなった.同一温度で比較した場合には,増ちょう剤の誘電緩和のほうが基油の誘電緩和よりも緩和時間が長いことから,増ちょう剤の配向運動の方が基油の運動よりも遅く,それぞれが独立した運動をしていることが明らかとなった.試料グリースの見かけ粘度,動的粘弾性,クリープ特性の測定を行い,これらレオロジー特性の温度依存性を誘電緩和時間の温度依存性と比較した.その結果,見かけ粘度とレオロジー特性との間には関連性を見出せなかったが,動的粘弾性とクリープ特性の温度依存性は,グリース中に存在する基油の誘電緩和特性の温度依存性に類似しており,潤滑グリースの誘電緩和挙動とレオロジー特性との関連性が認められた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Dielectric Relaxation Behavior of Polyolester Oil Based Greases with Lithium 12-Hydroxy Stearate Thickener2010

    • 著者名/発表者名
      Akihito Suzuki
    • 学会等名
      International Tribology Congress - ASIATRIB 2010
    • 発表場所
      Hyatt Regency Perth(オーストラリア)
    • 年月日
      2010-12-06
  • [学会発表] 12-ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤に用いたポリオールエステルグリースの誘電緩和挙動2010

    • 著者名/発表者名
      小竹伸一
    • 学会等名
      日本トライボロジー学会
    • 発表場所
      福井大学文京キャンパス(福井県)
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] 12-ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤に用いたPAOグリースの誘電緩和挙動2010

    • 著者名/発表者名
      小竹伸一
    • 学会等名
      日本トライボロジー学会
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)
    • 年月日
      2010-05-18

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公開日: 2012-07-19  

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