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2009 年度 実績報告書

小型玉軸受の必要最小荷重に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560150
研究機関東京理科大学

研究代表者

野口 昭治  東京理科大学, 理工学部, 准教授 (80349836)

キーワード玉軸受 / 転動体公転滑り / 最小荷重 / 音上昇 / 振動上昇 / 摩耗
研究概要

今年度は3年計画の初年度であり、軽荷重・高速回転条件で、転動体がどの程度公転滑りを起こしているかについて定量的に把握することを目的とした。小径玉軸受695(内径5mm×外径13mm×幅4mm)を対象として、荷重と回転速度を変化させながら、高速度カメラを用いて軸受内部を撮影し、滑りのない理想的な転動体の公転に対しての滑りを測定した。軸受の回転速度は、カタログに記載されているグリース潤滑での最高回転速度である50,000min^<-1>まで行った。荷重は1Nから始めて、695の実用的なアキシアル予圧荷重である12Nまでの荷重を負荷した。
公転滑りの定量的な指標として、滑り率=100×{1-(測定公転速度/理論公転速度)}を定義して評価を行ったところ、以下の結果が得られた。
(1)極端に小さなアキシアル荷重でなければ、滑り率は2.5%以下である。
(2)負荷荷重が大きくなると滑り率は減少傾向にある。
(3)20000min^<-1>までは、回転速度が大きくなると滑り率は上昇する。
ここまでは、定性的に考えられた結果と同じ傾向を示したが、回転速度が20000min^<-1>を超えた場合には、これまでとは逆に回転速度が大きくなると滑り率が小さくなる傾向が見られた。試験が終わった軸受を見ると、保持器に載っていたグリースがすべて消失していた。保持器の回転が高速になり、遠心力で吹き飛んだと考えられる(吹き飛ぶような音が観察された)。グリースが遠心力で吹き飛ぶことにより、転動体/軌道面間の潤滑状態が悪くなり、摩擦が増えることによって軌道面からの駆動力が増えて、滑り率が低下したと考えられる。
公転滑りにおいては、高速になればなるほど滑り率が増加すると考えられていたが、今年度の研究によって、内部の潤滑状態が公転滑りに影響を与えることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 合成荷重条件下における小径玉軸受の転動体公転滑りの観察2009

    • 著者名/発表者名
      永田春樹, 野口昭治, 藤木直子
    • 雑誌名

      (社)日本設計工学会平成21年度春季大会研究発表講演会講演論文集

      ページ: 7-8

  • [雑誌論文] 小径玉軸受の高速回転における転動体公転滑りの観察2009

    • 著者名/発表者名
      藤木直子, 野口昭治, 永田春樹
    • 雑誌名

      (社)日本設計工学会平成21年度秋季大会研究発表講演会講演論文集

      ページ: 19-20

  • [学会発表] 小径玉軸受の高速回転における転動体公転滑りの観察2009

    • 著者名/発表者名
      藤木直子, 野口昭治, 永田春樹
    • 学会等名
      (社)日本設計工学会平成21年度秋季大会研究発表講演会
    • 発表場所
      広島国際大学国際教育センター
    • 年月日
      2009-10-24
  • [学会発表] 合成荷重条件下における小径玉軸受の転動体公転滑りの観察2009

    • 著者名/発表者名
      永田春樹, 野口昭治, 藤木直子
    • 学会等名
      (社)日本設計工学会平成21年度春季大会研究発表講演会
    • 発表場所
      東京都市大学工学部
    • 年月日
      2009-05-23

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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