平成23年度は、22年度までに作製した「立ち上がり補助座椅子」2機の性能改善や改良を目指した。その結果、振動はほとんどなくなり、騒音は非常に小さくなった。これにより、立ち上がりリハビリ用、立ち上がり補助用として、本座椅子は適用できると判断された。また、ADL(食事支援、更衣支援、整容支援)やIADL(炊事支援、洗濯支援)用としても適用できることが分かった。これらの結果は、日本高専学会論文、国際会議論文、日本機械学会講演会での発表・関西支部技術情報交流会での発表、神戸高専研究紀要論文等を通じて公表した。 科研費の対象外となるが、継続的研究として、平成24年度は「立ち上がり補助座椅子」2機のモニタリングを行い、実用化を目指す。さらに、介護度の高い高齢者用として、「リクライニング機能付立ち上がり補助座椅子」1機の作成を行いたい。 さらに、工業用クランプユニットや安全性を有するロボットのアクチュエータとしての使用に対する宣伝を、学会活動等を通じて行っていきたい。 このように、負荷を検出したときはゆっくりと作動し、無負荷時は高速移動するユニークな機構の適用範囲は広く、一つのブレイクスルー技術と認識している。今後、種々の観点から検討を深めていきたい。
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