研究概要 |
研究では,ものづくりの各部門の知識や技能を横断的に理解し,開発・設計・生産を一貫して主導できるエンジニア,すなわち「マルチロール型エンジニア」の育成を目標として,企業における開発プロセスを適切に教授するエンジニアリングデザイン教育プログラムを構築する。さらに,邦文教科書のないエンジニアリングデザイン教科書およびe-learning教材を作成することにより,広く工学部教育に資することを目的とする。平成21年度は、機械製造業2社、電気製造業3社、設備製造業1社、半導体製造業1社、公共システム製造業2社に訪問調査を実施し、デザインプロセスについて取材した。いずれの企業においてもデザインレビューによって問題点の洗い出し、エキスパートからの知識の伝授、品質の向上、開発目標との整合、次の段階へ進めるための認証、が計られているが、高専におけるエンジニアリングデザイン教育ではこれらの観点の教授が欠けていることがわかった。専門的な知識を要求されるレビューをどのように教育に盛り込むかを、今後検討する予定である。なお、調査した企業はいずれもB2B(Business to Business)製品を開発する企業であり、今後、consumer用製品を主とする製造メーカに訪問調査を実施し、産業用製品との開発プロセスの相違について検討する。 また、松江高専において実施してきたエンジニアリングデザイン製作演習をホームページ公開した。さらにデザインプロセス教育についてもホームページ公開を進める予定である。
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