研究概要 |
研究では,ものづくりの各部門の知識や技能を横断的に理解し,開発・設計・生産を一貫して主導できるエンジニア,すなわち「マルチロール型エンジニア」の育成を目標として,企業における開発プロセスを適切に教授するエンジニアリングデザイン教育プログラムを構築する。平成21年度の日本企業におけるデザインプロセス調査を元に、22年度からはメカニクス、エレクトロニクス、ソフトウエアを統合的に理解できるエンジニアを育成するための教科内容および教材の開発を行っている。多くの装置・機器では、メカ、エレキ、ソフトのいずれかを専門とするエンジニアが、他の専門のエンジニアとチームを組んで開発している。チーム作業では、他の分野とのインタフェースが理解できれば一応の作業はできるが、他の分野のキーとなる考え方を身につけていれば、より高度なデザインをより効果的に実現することが可能となる。しかし多くの学生にとって複数の専門を学ぶ時間的余裕はない。そこで1つの分野を身につけた学生を対象として、他分野のキーとなる知識や考え方を学ぶ教科を開発する。先ず、第一段階として、機械系のエンジニアを対象として電気系のセンサ、アクチュエータ、マイクロコンピュータを学ぶための教科書および教材を開発中である。機械系エンジニアにはメカトロニクスとして電気系の知識が必要となっているが、電気系の教科では、センサは計測工学や電子回路、アクチュエータは電気機器やエネルギー変換工学、マイクロコンピュータはデジタル回路や計算機工学と、それぞれに細分化されており、ある程度の工学知識を持った学生が統合的に学べる科目はない。平成23年度は教科書の完成を目標とする。
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