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2010 年度 実績報告書

界面電流測定法の開発と電気浸透流駆動機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21560168
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

鬼頭 修己  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (10093022)

研究分担者 牛島 達夫  名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (50314076)
キーワード電気浸透流 / 界面電流 / 電気二重層 / 拡散二重層モデル / マイクロ流路 / 水分子 / クラスター構造
研究概要

前年度は特別に作成されに実験装置を用い,電気浸透流の界面電流測定法を開発した.また得られた実験結果に拡散二重層モデルによる分析結果を考慮することにより定義に基づく界面電流を求める方法を示した.さらに電気浸透速度と界面電流の関係を理論的に定式化し,両者が正比例の関係になることを示した.今年度の研究では,はじめに理論により定式化された関係と実験結果の定量的比較を行った.このため,バルクでのイオン濃度が正確に指定できるNaCl溶液を用いた実験を行った.この場合の電気二重層内の支配イオンはNa+イオンである.その結果,理論と実験結果は極めてよく一致することが示された.これより,測定された界面電流が精度良く測定されていること,および定式化された関係が定量的に正しいことが証明された.次に,純水を用いた実験をおこなった.この場合の電気二重層内の支配イオンはH+である.純水での実験結果は理論と大きく異なった.この原因として,電気二重層内のH+イオンのイオン移動度が著しく大きいことが理論から推測された.水分子はバルクにおいても単独の分子として存在せず,いくつかの分子が水素結合によりクラスターを形成することが知られている,電気二重層内での水分子は,狭い領域内で壁垂直方向の強い電場の作用により秩序構造を形成し,壁に平行に長いクラスターを形成しているものと予想される.H+イオンは,よく知られたプロトンジャンプ機構により,このクラスターを効率よく移動する.このため,H+イオンのイオン移動度がバルクのそれに比べ著しく大きくなるものと理解される.このように,界面電流と電気浸透速度の実験から,電気二重層内の水分子の構造を推定できることが分かった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ドーナツ型チャンネルを用いた電気浸透流の界面電流の測定(拡散二重層モデルによる評価)2010

    • 著者名/発表者名
      張丹, 鬼頭修己, 牛島達夫, 岩本吉弘, 平松大輔
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集B

      巻: 76 ページ: 1841,1848

    • 査読あり
  • [学会発表] A Study of electroosmotic flow and electric double layer based on measurement of interface current in doughnut channel2010

    • 著者名/発表者名
      Dan ZHANG, Osami KITOH, Tatsuo USHIJIMA, Yosihiro IWAMOTO
    • 学会等名
      13^<th> Asian Congress of Fluid Mechanics
    • 発表場所
      Dhaka, Bangladesh
    • 年月日
      20101217-20101221
  • [学会発表] 電気浸透流における界面電流と電気二重層特性に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      岩本吉弘, 鬼頭修己, 牛島達夫, 張丹
    • 学会等名
      日本機械学会流体工学部門講演会
    • 発表場所
      山形大学工学部
    • 年月日
      2010-10-30

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公開日: 2012-07-19  

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