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2011 年度 実績報告書

複合ジェットによるカプセル生成に及ぼす非ニュートン粘性とマランゴニー効果の影響

研究課題

研究課題/領域番号 21560177
研究機関大阪大学

研究代表者

吉永 隆夫  大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40158481)

キーワード非線形 / 表面張力 / ジェット / 非ニュートン流体 / 不安定 / マランゴニー / 崩壊 / カプセル
研究概要

コア部と円筒部から成る複合流体ジェットは,適当な条件のもとで,表面張力不安定によりコア部が円筒部によりカプセル化されることが知られている.このカプセル形成では内界面での表面張力や粘性応力が重要な影響を与えることがこれまでの解析により明かになった.このとき,粘性のひずみ速度依存性(非ニュートン効果)や表面張力の温度・濃度依存性(マランゴニー効果)はジェットが大変形するとき顕著に作用することが予想され,カプセル化に及ぼすそれらの影響を調べておくことは実用上重要である.本年度は昨年度に引き続き,コアと円筒部流体が同程度の密度からなる複合ジェットにおいて,非ニュートン粘性をCarreauモデルで近似して得られたジェット方程式の数値解析をさらに詳しく行った.ジェットのスケールが小さくなるにしたがい,レイノルズ数やウェバー数が小さくなるため,レイノルズ数が10,ウェバー数が10から100の範囲を選び,さらに擬塑性,ニュートン,ダイラタントの3種類の粘性パラメータを固定し,それぞれの場合についてウェバー数と界面張力に対して破断の様子を調べた(なおすべての解析は最も不安定となるような撹乱周波数を半無限ジェットのノズル出口に与えることにより行われている).その結果,円筒部が「破断」,「バルーニング」及び「閉じる」の三つのパターンで崩壊することがわかった.「破断」及び「バルーニング」はカプセル化を妨げるように働くため,カプセル形成のために必要な崩壊パターンは「閉じる」である.しかし,擬塑性流体の場合,十分小さい界面張力もしくは小さなウェバー数領域を除いて,ほとんどの場合「破断」により崩壊する.一方,ニュートン流体の場合「破断」は「バルーニング」に置きかわり,さらにダイラタント流体ではより広い領域で「バルーニング」は「閉じる」で置きかわり,よりカプセル化が可能になる.実際の使用が予想される高分子溶液は擬塑性流体である場合が多いため,ニュートン粘性で予想されるより「破断」による崩壊が起こり,カプセル形成の妨げになることが予想される.

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 半無限および有限長さの流体ジェットにおける崩壊特性2012

    • 著者名/発表者名
      眞鍋和也, 吉永隆夫
    • 雑誌名

      日本機械学会講演論文集

      巻: 124 ページ: 1-26-1-26

  • [雑誌論文] 非ニュートン粘性複合ジェットのおける崩壊特性とカプセル形成周期2012

    • 著者名/発表者名
      松本和樹, 吉永隆夫
    • 雑誌名

      日本機械学会講演論文集

      巻: 124 ページ: 1-27-1-27

  • [雑誌論文] Nonlinear Instability and Breakup of a Viscous Compound Liquid Jet2011

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshinaga, K.Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Fluid Science and Technology

      巻: 6 ページ: 477-486

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of Transverse Disturbances on Disintegration of a Planar Liquid Jet2011

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshinaga, T.Nakajima
    • 雑誌名

      Theoretical and Applied Mechanics Japan

      巻: 60 ページ: 63-72

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Encapsulation and Disintegration of a Gas-Cored Annular Liquid Jet2011

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshinaga
    • 雑誌名

      Proc.AJK2011-FED (12^<th> International Symposium on Gas-Liquid Two-Phase Flows)

      巻: AJK2011-10040(CD-ROM) ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 3次元撹乱に対する落下する平面ジェットの破断2011

    • 著者名/発表者名
      吉永隆夫
    • 雑誌名

      日本流体力学会誌「ながれ」別冊

      巻: 30(CD-ROM) ページ: 179-179

  • [雑誌論文] 複合ジェットの安定性に及ぼす非ニュートン粘性の影響2011

    • 著者名/発表者名
      松本和樹, 吉永隆夫
    • 雑誌名

      日本流体力学会誌「ながれ」別冊

      巻: 30(CD-ROM) ページ: 180-180

  • [学会発表] 複合ジェットのカプセル化に及ぼす非ニュートン粘性の影響2012

    • 著者名/発表者名
      吉永隆夫, 松本和樹
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      関西学院大学(兵庫県)
    • 年月日
      2012-03-25
  • [学会発表] 半無限および有限長さの流体ジェットのおける崩壊特性2012

    • 著者名/発表者名
      眞鍋和也, 吉永隆夫
    • 学会等名
      日本機械学会関西支部
    • 発表場所
      関西大学(大阪府)
    • 年月日
      2012-03-17
  • [学会発表] 非ニュートン粘性複合ジェットのおける崩壊特性とカプセル形成周期2012

    • 著者名/発表者名
      松本和樹, 吉永隆夫
    • 学会等名
      日本機械学会関西支部
    • 発表場所
      関西大学(大阪府)
    • 年月日
      2012-03-17
  • [学会発表] 落下する平面ジェットの破断に及ぼす3次元撹乱の影響2011

    • 著者名/発表者名
      吉永隆夫
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      富山大学(富山県)
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] 3次元撹乱に対する落下する平面ジェットの破断2011

    • 著者名/発表者名
      吉永隆夫
    • 学会等名
      日本流体力学会
    • 発表場所
      首都大学東京(東京都)
    • 年月日
      2011-09-08
  • [学会発表] 複合ジェットの安定性に及ぼす非ニュートン粘性の影響2011

    • 著者名/発表者名
      松本和樹, 吉永隆夫
    • 学会等名
      日本流体力学会
    • 発表場所
      首都大学東京(東京都)
    • 年月日
      2011-09-08
  • [学会発表] Encapsulation and Disintegration of a Gas-Cored Annular Liquid Jet2011

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshinaga
    • 学会等名
      Proc.AJK2011-FED (12^<th> International Symposium on Gas-Liquid Two-Phase Flows)
    • 発表場所
      浜松ACTCITY会議場(静岡県)
    • 年月日
      2011-07-26

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公開日: 2013-06-26  

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