研究課題
急激な圧力変動を伴う圧縮波、衝撃波や膨張波は総称して圧力波と呼ばれ、これらの圧力波が長い管路(パイプラインやトンネル)を伝播する際の急激な圧力変動を制御するには、伝播過程における圧力波の強さの減衰や波面の時間的変形、すなわち波動伝播の非線形現象、距離減衰変形を正確に知ることが必要である。平成21年度は、長い波動伝播管を持つモデル実験を用い、管内を伝播する圧力波の距離減衰変形の遷移現象の詳細な測定を行い有益なデータを得た。その結果を要約すると以下のとおりである。(1) 圧縮波は、波面形状によらず、初期圧縮波強さが大きいほど急激に減衰する。その距離減衰の割合は、伝播距離により変化する。(2) 初期波面の最大圧力勾配が比較的大きい場合、最初圧縮波の波面の切り立ち、その後なだらかに減衰していく。(3) 波面の最大圧力勾配の最大ピーク値は、初期波面の圧力勾配ピーク形状の幅が大きいほど強く、幅の影響は小さくない。(4) 初期圧力勾配が小さい場合、波面の伝播特性の及ぼす初期波面の影響は相対的に小さい。(5) 初期圧力勾配が大きい場合、圧縮波の一部は衝撃波に遷移し、圧力波となる。(6) 衝撃波の形成距離、及び衝撃波の強さの最大値は、初期波面前面の形状の影響を受ける。(7) 衝撃波の消滅する距離は、初期波面の形状には関係なく初期強さが大きいほど長くなる。(8) 波面背後の圧力のオーバーシュートにおける圧力の降下量は、伝播に従い増加から減少へと転じ、圧縮波強さが大きいほど大きくなる。(9) オーバーシュートは波面背後の非定常境界層の遷移に起因し、圧力が極大となる点が遷移開始点と一致する。
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日本機械学会九州支部講演論文集 No.108-1
ページ: 179-180
平成21年度衝撃波シンポジウム講演論文集 1
ページ: 101-104
Proc.of International Symposium on Experimental and Computational Aerothermodynamics of Internal Flows (CD-ROM)
ページ: 260-263
2009年度年次大会講演論文集 No.09-1
ページ: 155-156