研究課題/領域番号 |
21560195
|
研究機関 | 防衛大学校 |
研究代表者 |
多田 茂 防衛大学校, 応用科学群, 教授 (70251650)
|
研究分担者 |
工藤 奨 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70306926)
一宮 浩一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 非常勤講師 (30037923)
鳥山 孝司 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50313789)
|
キーワード | 動脈硬化症 / 一酸化窒素 / 血管内皮細胞 / せん断応力 / 血管壁伸張 |
研究概要 |
せん断応力・壁伸張といった『力学的刺激』と血管細胞・組織における『機能異変』との生理学的関係の解明を行うため、本年度は昨年度の実権装置を改良することで、ウシ内皮細胞に血流を模擬した拍動流による流体力学的せん断応力を負荷し、そのときに産生される一酸化窒素(NO)濃度変化を共焦点レーザー顕微鏡を用いたバイオイメージング法により調べた。同時に、NO合成酵素(NOS)については、内皮細胞型NO合成酵素(eNOS)と誘導型NO合成酵素(iNOS)の発現機構のせん断応力依存性について調べるため、ウェスタンブロット法とELISA法を行った。さらに本年度は血管細胞における酸素代謝についても力学的刺激依存性を調べるため、まず研究の第一段階として、血流による酸素輸送に関する数値シミュレーションを行った 内皮細胞のNO産生能については従来知られている通り、せん断応力負荷開始から数秒でNO産生がバイオイメージング法により確認された。拍動流と定常流との違いによるNO産生量の変化については、有意の差を認めることが出来なかった。細胞が実験開始から30分程度で剥離してくる点からも、蛍光染料の選定や負荷条件の見直しが必要であると考えられる。また、産生されたNOの由来についてはウェスタンブロット法とELISA法により、eNOS由来であることが確認されたが、iNOSについては昨年度同様、数時間オーダーのせん断応力負荷が必要であることも、転写因子NF-kBの発現を調べる事により判明した。現行の装置では2時間で細胞がコンタミネーションされてしまうため、力学的刺激の負荷装置の改善が必要と考えられる。
|