研究概要 |
1.エポキシと銅の配線板からなる1層の印刷基板モデルを製作した。12種類の配線パターンを製作した。金属として銅の配線面積,配線重量と基板機材面積と基板機材重量(エポキシが主)をパラメータにして表に表した。メイカー側のご厚意で無償提供が計られた。 2.熊本大学の富村教授所有の装置を参考に、熱抵抗測定装置を製作した。この装置はサンプルの押し付け加重に天秤式を採用しており、荷重計で測定した値よりも物理的な方式で荷重が測定でき、安定感がある。また2個の黄銅の円柱棒(直径4.0mm)の間に試験片を挟んで、縦方向に温度分布を測定し、その温度分布の不連続性から試験片の熱抵抗を測る仕組みである。 3.熱抵抗測定装置を用いて、配線パターンの異なる代表的な2つの基板の縦方向熱抵抗を測定したところ、配線パターンの金属の多い基板の熱抵抗が小さい値を示し、測定方法の信頼性を確認した。 4.次に、基板平面方向の熱伝導率の違いによる熱抵抗の差を測定するために、平面を熱抵抗測定装置の黄銅断面と同じ大きさの円形に切り取った断片と円形の直径と同じ1辺を有する正方形に切り取った断片とを測定したところ、その両者の差が測定できた。この値を解析すれば、平面方向の熱伝導率の違いが評価できる。これは、大変大きな意義を有する。 5.今後は、12種類の配線パターンのすべてを測定し、データマップを作成し、銅の配線面積,配線重量と基板機材面積と基板機材重量(エポキシが主)を評価する方法を確立する計画である。
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