研究課題/領域番号 |
21560234
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
長嶺 拓夫 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00323379)
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研究分担者 |
森 博輝 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50451737)
佐藤 勇一 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30134828)
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キーワード | 流体関連振動 / 低周波騒音 / 水膜振動 / 越流 / 水門 / 騒音防止 |
研究概要 |
河川や用水路に設けられる堰や水門の越流部では水が膜状となって落下する。このとき条件によっては水膜振動が起こることが知られている。近年においては、用水路の側まで住宅が建てられることが増えてきており、水膜振動が起こると低周波音が発生し、河川や用水路の近くの住居に騒音問題を引き起こす場合がある。このような問題の対策として従来水膜を切裂いて騒音を防止するスポイラーが用いられている。しかし、スポイラーを用いても水膜の厚さなどによっては水膜振動が起こることがある。堰から落下する水膜に起こる振動については、複数の要因が関連しており、必ずしも十分に解明されているわけではない。しかしこれまでに多くの研究がなされ、水膜と堰とで構成される空間の圧力変動がひとつの要因となっていることが報告されている。また、構造物と流れの相互作用によっても振動が発生することが報告されている。申請者らは、落下水膜形状と水膜の落下時に発生する圧力の関係を実験を主体として明らかにし、その振動特性を明らかにしている。さらにその振動特性を利用して、その水膜振動の防止方法の一案を提案している。本研究では、これまでの実験室で調べた振動特性が実機サイズでも同じであるかを実験的に調べると共に、防止方法を実機に適用しその有効性を確認している。さらに、実際に使用されている落下高さ2m程度までの堰に設置する上での設計指針を得ることができた。この結果、落下高さが2mクラスの堰の越流部で起こる水膜振動の特性を明らかにし、水膜の厚さにより卓越した振動数成分をもつ低周波音が発生することを示した。また、水膜振動を抑える装置を提案し、水膜振動の防止に有効であることを示すことができた。
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