研究課題/領域番号 |
21560243
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
江 鐘偉 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60225357)
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研究分担者 |
木戸 尚治 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90314814)
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キーワード | Heart Sound Measument / auscultation / Analysis / Discrimination |
研究概要 |
今年度においては、昨年度に製作された聴診ウェアの改良試作を行った。改良後の聴診ウェアはより装着しやすくなった一方、体への密着性が向上されたため、よりクリアな心音の採集を可能となった。実験結果により、専門知識を有しない一般ユーザーには装着の違和感がなく、かつ容易に良質な心音を採集できることを確認できた。さらに、4つの聴診器で大動脈弁、肺動脈弁、僧帽弁、三尖弁の四つの弁の開閉音の同期心音を採集でき、その同期信号を初めて視覚化することができた。さらに、健常者に対して、運動前後の心音変化と呼吸の関係を調べ、心臓の動きが呼吸による影響をうけることを解析結果から判明した。しかしながら、なぞそのような影響を受けているのか、メカリズムはなんなのか、依然不明な点が多く、今後の課題として来年度に引き続き検討していきた。 それから、中国の大学と連携して、心疾患、特に弁膜症を中心に患者の症例データを採集した。データの解析も進められた。解析方法として、時間域における特徴パラメータと周波数域におけるパラメータを提案し、先天性心臓病や心室中隔穿孔、弁膜症などの心疾患を自動判別方法を提案し、一部の解析データより、その有効性を確認したものの、残りのデータの解析は現在続けている。 来年度では、いくつの典型的な虚血性心疾患の心音データから、独自に提案した心音特徴パラメータを統計的に解析し、さらにマルチサポートベクトルマシン学習識別手法を導入して、一部の心疾患の判別支援システムを構築する。また、最終年度として研究成果をまとめ引き続き公表していきたい。
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