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2009 年度 実績報告書

接触回転系の多角形化現象における非線形特性の解明およびそれを利用した防止対策

研究課題

研究課題/領域番号 21560244
研究機関九州大学

研究代表者

宗和 伸行  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40304753)

研究分担者 近藤 孝広  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136522)
松崎 健一郎  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80264068)
キーワード機械力学・制御 / 自励振動 / 非線形性 / 時間遅れ系 / 振動制御
研究概要

接触回転系で発生する多角形化現象は,時間遅れに起因する不安定自例振動であり,線形解析による系の安定判別でも有用な防止対策が可能である.しかし,実際に発生する不安定振動の成長過程や十分成長した後の定常振動の特性を把握することで,その特性に応じた新たな対策が期待でき実用上有用な手段となり得る.そこで,本課題では,系に不可避的に存在する非線形性を考慮した解析手法を開発し,非線形振動特性の解明とそれを利用した防止対策法の確立を目指す.本年度の実施項目は次の通りである.
1. 粘弾性変形に起因する時間遅れ系の基本であるゴムロールの1自由度系を対象に,非線形特性を考慮したシミュレーションを可能とした.その際,自重による初期変形を考慮することで,本来ハードスプリングの特性をもつゴムロールの周波数応答がソフトスプリングの傾向を示す実際の現象との定性的に一致することが確認できた.
2. 非線形振動の代表的な定常周期解の解析手法である調和バランス法を,粘弾性モデルの時間遅れ系に適応し,振動現象の特性を詳細に検討可能な解析ツールを開発した.ただし,定常周期解の安定判別に変分方程式の特性指数を求める方法を採用しているため,解が加算無限個存在する時間遅れ系では高精度な解析を行うには膨大な計算が必要であり,計算効率で実用性があるとは言い難い.この問題点解決のため平成22年度以降も引き続き開発を進める予定である.
3. 既存の実験装置に鉄ロールを1個追加し,遅れ時間がゴムロールの半回転周期である2自由度系に改造した.その結果,2個のモードに応じた多角形化現象が発生し,1自由度系と同様に周波数応答のソフトスプリングの傾向や高調波共振を確認することができた.また,動吸振器を利用した防止対策の妥当性を検討するとともにし,主系のハンマリングのみでは同定不可能なパラメータの同定を,動吸振器を用いて行う可能性を見いだした.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Experimental Verification of Prevention method Using Dynamic Absorbers for Unstable Vibration Caused by Time Delay Due to Viscoelastic Deformation2009

    • 著者名/発表者名
      Nobuyuki Sowa, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of 13th Asia-Pacific Vibration Conference (CD-ROM)

      ページ: No.115

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Study for Rifling Mark Generating Phenomena on BTA Deep Hole Drilling Process2009

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro MATSUZAKI, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of 13th Asia-Pacific Vibration Conference (CD-ROM)

      ページ: No.22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] BTA深穴加工におけるライフリングマーク発生現象に関する基礎的研究2009

    • 著者名/発表者名
      松崎健一郎
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集, C編 75-755

      ページ: 1918-1925

    • 査読あり
  • [学会発表] 動吸振器を用いたパターン形成現象の防止対策(粘弾性多自由度系に対する実験的検証)2009

    • 著者名/発表者名
      林幸介
    • 学会等名
      Dynamics and Design Conference 2009
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2009-08-04
  • [学会発表] BTA深穴加工におけるライフリングマーク発生現象の防止対策に関する検討2009

    • 著者名/発表者名
      松崎健一郎
    • 学会等名
      Dynamics and Design Conference 2009
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2009-08-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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