研究概要 |
(1)圧電素子型制御法: (a)はり自由端境界で曲げモーメントを検出・駆動する圧電素子型波動制御法について,その制御性能を数値解析により検証した。はりの横振動運動方程式は曲げモーメントの梁座標方向2階微分値と分布慣性力との釣り合いであるので,変位と分布慣性力の関係を直接制御するのではなく,曲げモーメントと分布慣性力の関係を制御する考え方に基づいている。圧電素子は曲げモーメントに相当する表面ひずみを検出・発生させるが,素子内では一定モーメントであるため,一差分間隔ずつ梁座標方向にずらした3つの素子を重ねて使うことでモーメントの梁座標方向微分を近似的に実現する。第1素子を検出素子として,その出力と第2及び第3制御素子との伝達関数を求めた。いずれの制御素子についても,無理関数を含む伝達関数のラプラス逆変換により得られる応答関数(ベッセル関数で表現される)と第1素子出力との畳み込み積分で制御信号を生成できることを見出し,これらの応答を数値シミュレーションにより検証した。 (b)隣り合う差分節点間で曲げモーメントが独立に制御可能なように曲げ剛性の低い高分子ピエゾフィルムを圧電素子として用いたモーメント制御の基礎実験装置を製作するための基本特性を計測した。 (2)せん断力型制御法:片持ちはり自由端波動制御実験装置の設計と部分製作を行った。制御則検証のために発生力に制限の少ないアクチュエータとしてボイスコイル型アクチュータを完成させた。
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