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2011 年度 実績報告書

衝突を利用するマニピュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 21560257
研究機関筑波大学

研究代表者

相山 康道  筑波大学, システム情報系, 准教授 (60272374)

キーワードインパクト・マニピュレーション / 見かけの慣性 / タッピング / 衝突モデル
研究概要

人間は金槌で釘を打つ,バットでボールを打つという様に衝突現象を利用した作業を行なっている.マニピュレータもこの衝突現象を利用することでより幅広い作業が可能となると考えられ,これまでに衝突を伴うマニピュレーション(インパクト・マニピュレーション等)の研究が行われてきた.また多リンク機構マニピュレータの衝突を考える上で,手先の見かけの慣性は重要な要素である.衝突時のマニピュレータの姿勢によって見かけの慣性は変化し,衝突後の発生撃力や手先速度に影響を与える.
平成23年度は,前年度に引き続き,見かけの慣性の変化を利用した衝突時の発生撃力の実験・解析を行った他,低慣性・低摩擦力の対象物を対象としたタッピング操作,高慣性,高摩擦力の対象物を対象とした撃力利用位置決め操作に対して,インパクト・マニピュレーションを利用する手法を提案し,その解析を行った.
例えば,達磨落としのような作業を考えると,それほど大きな力は必要ないが,ある一定以上の速度を持って,対象物を弾き飛ばす必要がある.打撃側の運動モデルとしては,(1)衝突点もしくはそのすぐ内側で止まるように動かす,(2)バネ性を持たせて衝突後すぐに逆向きに動かす,(3)そのまま運動を継続して振り抜く,という3種類が考えられる.(3)では,対象物に働く摩擦力がある程度より大きい場合には多重衝突が発生する場合があるが,本課題においては,基本的には多重衝突はないものと考えている.重量物の位置決め作業に対して,トグル機構を用いた倍力機構を利用する場合には,対象物を押す力と同じだけの反力を受ける必要があり,作業の自由度が高くない.これに対し本研究では,撃力を利用することで,静的な力の釣り合い条件をなくすことを実現し,簡易な機構で位置決め作業が遂行できることを示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年度当初に想定していた,見かけの慣性を利用した手先速度の高速化,低慣性低摩擦力対象物のタッピング操作の解析,に加え,高慣性高摩擦力対象物に対する手法の検討に取り掛かれたことで,(1)に近い状況である.ただし,解析が期待していたほどには進んでいないことから,(2)とした.

今後の研究の推進方策

平成24年度が最終年度であるため,タッピング操作,重量物位置決め操作の解析および実験を完了させ,学会発表,論文投稿,特許申請等,まとめていく予定である.これまでの研究から,このような撃力を扱う実験の場合には,条件の再現性が困難であるが,なるべく回数を増やすことで統計的に検証できるようにする予定である.

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公開日: 2013-06-26  

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