研究概要 |
屈曲型流体内推進機構は,現在多く用いられているスクリュプロペラでの問題点である,水中の生物に対する危険性・激しい撹拌による汚泥の巻き上げによる水質汚染を解決する,環境に配慮した推進機構のひとつである。本研究は,水中を遊泳する生物の屈曲運動の動きを規範とした屈曲型推進機構に注目し, ・屈曲形推進機構の機動性・位置制御性を向上させるために,多毛類の形態を規範とした体表面の突起を利用した推進 ・水からみかけの粘性の高い泥水まで,広範囲の液体の環境で動作するため,ウナギ型推進とアジ型推進の形態を自由に変化させ,その機構の剛性も変化させる推進 を実現させ,形状と剛性が実時間で自由に変化できる「生物規範型流体内推進ロボット」を開発することを目的とする。平成21年度は,(1)多毛類の遊泳動作の解析,(2)体表面形状変化による推進機構の基礎設計を行った。詳細は以下の通りである。 (1)多毛類の遊泳動作の解析 ゴカイなど,多毛類の遊泳運動は,体表面が滑らかな生物と異なり,屈曲波進行方向と同じ推進方向で泳ぐが,それだけではなく突起物(いぼ足や剛毛)が能動的に動き,多様な動きをする。そこで,多毛類の実際の動きの動作解析を行った。 (2)体表面形状変化による推進機構の基礎設計 突起物を模擬した水中フィンを備えた推進機構の機動性に関する基礎実験結果,前項の多毛類の遊泳動作の解析結果から基礎設計を行った。また,潜水機能を持たせため,防水機能とフィンの側面への配置方法について詳細に検討した。
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