研究概要 |
22年度以降では,人工心臓用1軸制御浮上型モータを想定した1軸制御浮上型磁気軸受を設計し,実際に試作を行なった。1軸制御浮上型磁気軸受は,電磁石,ロータ,位置センサなどから構成される。ここでは浮上体に代わってロータを用いる。ロータは円柱形状である。電磁石も円柱状であるため,電磁石からの磁束はロータ内部で同心円状に分布する。そのため,ロータは浮上した状態で容易に回転することができる。 設計では,永久磁石は電磁石に組み込んだ。これに関しては磁場解析ソフトにより磁場解析を行い,位置センサに影響の無い構造を検討した。更に,1軸制御浮上型磁気軸受の場合,ラジアル方向には基本的には不安例であるので,受動的な安定性を考慮した。これらを考慮してロータ内部に同心円状(リング状)の空洞を設けた。これによって,ラジアル方向の剛性を受動的に得ることができた。試作・評価では,前述の設計に基づいて1軸制御浮上型磁気軸受を試作した。電磁石の直径は40mm程度,長さ60mm程度とした。制御に必要な各種パラメータは実測によって求めた。電磁石とロータとのギャップは1mmとした。また,評価として軸方向の剛性評価のみならず,軸方向の剛性評価を行なった。
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