研究概要 |
狭い場所で自由に移動できる全方向移動装置は,走行安定性が不十分である点と高コストである点から,現在のところ実用に十分堪える製品はまだ開発されていないが大変有望な技術である.申請者は従来の全方向移動装置の長所を継承し欠点を克服し,機構的にも無理や無駄がなく,高い走行性能,安定性を有する新技術を研究中である.本研究では,この新しい全方向移動装置の性能をより向上させ,電動車椅子等への発展を目指す.将来,高齢化や福祉の高度化等から,電動車椅子の実社会への貢献が,現在よりもさらに大きくなると予想される.さらに近い将来,工場内搬送台車,案内ロボット,清掃ロボット,家庭用ロボットなど,極めて広い応用が期待される. 平成21年度は,簡単な試作機を研究室内で作成し,ロボット産業マッチングフェア,国際ロボット展,ロボカップ世界大会(テクニカルチャレンジ入賞)に出展した。また,リーフ株式会社に技術移転して開発中の自立歩行アシストシステムが福岡県ロボット産業振興会議平成21年度ロボット開発技術力強化事業に採択された.これらの成果の電動車椅子へのフィードバックのため,精密な設計加工を専門業者に委託して新たな試作機を作成した.この試作機の性能を平成22年度以降に確かめる.さらに今後,研究開発向けのロボット台車への応用も図っていく.
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