研究概要 |
ノイズを含む現実世界で精密に機能するロバスト計測制御を小型高精度パラレルリンク機構に適用し,ワーク表面に測定子を微小力で倣わせるオンマシン形状計測技術を確立することが研究の目的である.研究実施計画と対比して,本年度の研究成果を下記に整理する (a) 機構の高精度化新たに過拘束平行リンクを用いたメカニズムを研究試作し,ジョイント部のガタを除去する機械設計および組立管理と特異姿勢解析によるリンク長の最適設計などにより,機構の高精度化を実現した.試作装置では,アクチュエータ3個(非冗長駆動)および4個(冗長駆動)を用いたメカニズムを研究できる構成とし,本研究における基本的な研究試作を完成させた (b) 機構キャリブレーション方法の確立試作した非冗長駆動メカニズムに対するキャリブレーション方法を確立し,予備実験においてメカニズム先端の動作領域±0.8mm立方において,絶対位置精度が3.5μmとなることを確認した.研究者が別途取組んでいる冗長駆動メカニズムに対して,外部位置センサを用いないセルフキャリブレーション方法を確立した.内部位置センサの測定値量子化誤差に対す機構キャリブレーション推定誤差の伝播解析とその評価方法を提案した (c) 位置計測用画像計測装置の高精度化昨年度に研究試作した2次元画像計測装置に対して,カメラ2台にて3次元画像計測を行えるよう装置を拡張した.平行光光学系を用いた3次元画像計測装置のキャリブレーション方法を考案し,本年度研究試作したパラレルリンク機構の精度評価とキャリブレーションに利用した 以上を総括すると,本年度にて研究の主たる装置であるパラレルリンク機構本体および精度評価のための3次元画像計測装置の研究試作を完了させた.これらの装置を用いて,次年度(最終年度)に倣い形状計測のための制御方法を研究し,実機検証を行う計画である
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