研究概要 |
実施計画「風洞内で飛行状態を模擬するために、様々な迎角と羽ばたき周波数の実験条件の下で風洞内の風速を調整することに.より、機体に作用する抗力と羽ばたき翼が発生する推力を釣り合わせ、模擬的な飛行状態を実現させる。飛行状態では羽ばたき運動による重心位置の上下運動や、ピッチング運動も僅かではあるが存在し、これらについては拘束せず、束縛のない自由飛に近い状態が模擬的に実現でき、その場観測により、揚力の実時間計測や流線の可視化が可能であるため、NAV開発の第一段階とて風洞内飛行試験装置を用いる。この装置でより自然な飛行を実現するため、研究代表者が磁力支持天秤装置の研究を通して得た位置制御及び外力測定の技術を用い、支持棒を用いないで風洞内で羽ばたき機を磁力的に支持し、機体に作用する外力を位置制御に要する制御力から測定する方式を用いる。」について、以下のことを実施した。 (1)低速風洞の試作とふう速分布の測定。左右方向には1%以内の均一性、上下方向には5%以内の風速分布の均一性が得られた。 (2)飛行制御システムの開発。機体のヨー角、飛行方向と直角方向の水平位置座標を計測するためのシステムの開発を行なった。このとき、制御のサンプリング速度が80msと遅いために、種々その原因を探り、USBのデータ通信に原因があることをつきとめ、通信方法の改善を行なった。また、機体の姿勢・位置の観測時間と制御の間に時間遅れがあっても、その遅れを補正するアルゴリズムを開発し,より安定な飛行を実現した。 (3)今年度は、羽ばたき飛行ではなく、準位実験として固定翼のMAVを用いた実験を行なっている。
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