実施計画 (1)風洞内飛行実験、(2)計算機流体力学、(3)昆虫の飛行法、の3点について研究を実施する。 研究実績の概要 (1)について 風洞内飛行する飛行体の位置情報をCCDカメラと画像解析により測定するシステムに、当初予想していた値(20ms)より大きな時間遅れ(80ms)があることが分かったので、その原因について実験的検討を行なった。その結果をもとに種々の改良を加えることにより60ms程度まで早めることが出来た。そのうちもっとも効果があたのは、データ処理を既存のパソコンにUSB通信によりデーターを送り、一般的なAD変換ボードでデータ処理を行なっていたのを、画像解析装置と同じ会社の高速データ処理ボードに変えたことである。 (2)について 薄膜翼の羽ばたき運動に適用できるCFDコード(日本文理大学磯貝教授の開発による)の使用法を学習した。計算プログラムはフォートランで書かれていたので、フォートランに対応するようにプログラムを改良した。スパン長15cmの羽ばたき翼の運動を独自に開発した翼膜運動測定装置により得られた翼膜の3DデーターにこのCFDコードを適用し、空力分力の計算値と別途実施した実験値との間でよい一致が見られた。実験結果の詳細については、本年度も引き続き解析を続ける。 (3)について 磁場制御によるウィンドミルを開発し、ケンブリッジ大学動物学科のエリントン教授(2010年4月より名誉教授としなるが研究活動を続けている)の研究室に持ち込み、マルハナ蜂を対象にその飛行特性の研究を開始した(8月中旬から9月中旬にかけて実施)。本学の大学院生も1名この研究に参加し、ドーニングカレッジの学寮に宿泊し研究活動を行なった。
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