研究課題/領域番号 |
21560281
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
河村 良行 福岡工業大学, 工学部, 教授 (90167362)
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研究分担者 |
谷口 泰敏 福岡工業大学, 情報工学部, 講師 (60140810)
劉 浩 千葉大学, 工学部, 教授 (10342875)
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キーワード | 羽ばたき飛行 / 昆虫 / 飛翔 / MAV |
研究概要 |
本年度は、風洞内飛行実験装置の開発に関しては、固定翼機による飛行性能の改良のための実験を行った。画像処理装置の改良等による姿勢制御の応答時間の改善により、飛行の安定性を実現した。さらに風洞の風速の調整と、機体の羽ばたき周波数の調整により、機体の上下及び、前後方向の位置制御にも成功し、飛行位置の安定と飛行時間の延長を実現した。風洞の風速の制御は応答時間が1秒程度、羽ばたき周波数の制御の応答時間は0.5秒程度と遅いが、飛行位置の左右又は上下方向の動きは、左右方向の動きと比較して、ゆっくりしているため、問題はなかった。 これまでの4枚翼の羽ばたき飛翔体に代わり、より鳥や昆虫に近い2枚翼(全スパン18cm)の羽ばたき機の開発を行いその自由飛行に成功した。翅の羽ばたき運動を駆動するための小型モーターの動作点を、最大パワーの位置にするために、数種類の組み合わせの減速ギヤを用意し、これらのギヤに対するモーターの回転数と消費電流を測定し、モーターのトルク対回転数、トルク対モーター電流の特性を明らかにし、これを基に最大パワーになる動作点を探した。さらに、この機体を風洞内で安定制御飛行することにも成功した。 機体製作においては、全スパン長10cmの4枚翼の機体[3g]の製作に成功した。遠隔操縦による自由飛行では、上昇はしなかったものの、やや下降気味の安定した水平飛行に成功した。ラダーによる制御機能を外し機体の重量を減らすことにより、上昇飛行にも成功した。風洞内飛行においては、電池[1g]を必要としないので、かなり余裕のある水平飛行が来年度に向け期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
羽ばたき飛翔体の風洞内制御飛行に成功し、超小型羽ばたき飛翔体(スパン長10cm)の製作にも成功したため
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究方針 (1)ナノMAV(スパン長が10cm以下の羽ばたき飛翔体)の試作 (2)上記飛翔体の風洞内制御飛行実験 (3)前縁渦の観測 (4)ガスト安定性(突風に対する飛行の安定性)の検証 以上の4点を次年度(最終年度)の研究課題とする。
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