研究概要 |
本研究では,CAM,NC加工シミュレーション,CNC装置,工作機械の垣根を取り払い,CNC装置の最終位置出力であるサーボデータを中心に誤差の予測補正制御を行うことで,さらなる高速高精度加工を実現する加工システムの開発を目的としている.平成22年度は,NC加工シミュレーションの元になる工具のたわみ予測と工具摩耗予測について誤差の精度向上を図ると共に,加工実験を行い精度の検証を行った.本年度は,引き続き切削力の方向予測手法の検討と,加工時に生じる誤差として,工具摩耗の予測手法の検討,切削負荷の予測手法の精度向上を行い,これらの結果から予測補正する手法について研究を早急に進める.具体的には実施計画書に基づいて次の4項について研究を進めた. (1)切削力の方向予測手法の確立 加工実験を行い予測手法の検討を繰り返しているが,精度の向上に苦慮している. (2)切削による工具摩耗の予測手法の確立 加工実験を行い摩耗量の予測手法の検討を繰り返しているが,ばらつきも多く,予測に苦慮している. (3)システム統合手法の検討 工具のたわみ,摩耗の予測に対して,これらの誤差量を低減するため速度を制御する手法を検討しシステム化した. (4)試作システムの構築と検証実験 工作機械に測定用のデータサーバや通信機能を付加し,試作システムを構築した.そしてこの試作システムを利用して加工実験を行った.その結果システムの有効性は検証できた.しかし切削力と工具摩耗の予測精度に問題が残る結果となった.
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