研究課題/領域番号 |
21560289
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石川 本雄 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (90109067)
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研究分担者 |
藤野 貴康 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (80375427)
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キーワード | 分散電源バックアップ / 大規模電源 / MHD発電 / CO2回収 / 地球温暖化ガス排出削減 / 高効率発電 / 石炭有効利用 / 流体場電磁場相互作用 |
研究概要 |
(1)地球環境問題を解決する一つの手段としての分散電源を支える高効率大規模集中電源としての二酸化炭素回収方式高性能MHD発電機を実現するために、二酸化炭素回収をめざしたMHD発電機内衝撃波、電流集中アーク現象・電極間短絡現象などの解明、および電磁界と流体との相互作用による2次流れの解明が第一の研究目的であ。 MHD発電機動作解析用3次元コードを開発し、宇宙応用円形断面ホール形MHD発電機の3次元解析を世界でもはじめて実行し、磁束密度が大きく減少する発電機入口、出口付近での円形断面内において過電流が誘起される現象を発見した。この現象は従来、矩形断面MHD発電機では発見されていない現象である。 (2)10mを越える大規模高性能MHD発電機の設計、およびその動作特性を2、3次元解析により解明し、弱電離プラズマの振る舞いを解明すると共に、3次元解析結果を1次元設計コード改良に利用することが2の研究目的である。 設計したファラデー形MHD発電機を用いると、酸素造電力、二酸化炭素液化回収電力を考慮しても、50%(高位発熱量基準:ガスタービン、燃料電池の場合は通常低位発熱量基準が用いられ、効率は非常に高く見積もられる)以上-65%程度が可能であることを見いだした。設計したファラデー形MHD発電機は、入口正方形の一辺は17.9cm、出口の一辺は67.6cmであり、非常にコンパクトな発電機が設計できることを示した。 12mもの長いMHD発電機の3次元解析は非常に困難であり、現在実行中である。電極短絡が生じた場合には境界層剥離の発生が示されており、今後の詳細な検討が必要である。 また、予備的な2、3次元解析は設計コードで仮定した電極近傍の損失が不十分であることを示しており、設計コードの改良の見通しを与えている。
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