研究概要 |
平成22年度は、急速充電用(10kW,AC3相200V電源)のH型コアのトランスを設計し、試作評価を行った。小型軽量、給電効率、位置ずれ許容範囲の点で世界トップレベルの性能をめざした。 普通充電用(1.5kW,AC単相100V電源)と磁極寸法と一次二次の巻数を同一にし、急速充電用の地上トランスから急速充電用の車載トランスへの10kW給電だけでなく、普通充電用の車載トランスへも1.5kW給電が可能な方式をめざした。磁極構造を工夫し、周波数も30kHzに上げた結果、製作した急速充電用の10kWトランスはギャップ長70mmで給電効率95%の性能を達成することができた。しかし急速充電用は電力が大きいため、高効率でも発熱量が大きく、長時間の給電を行うにはトランスの放熱対策が必要であることが分かった。 2011年11月に中国深センで開かれた第25回世界電気自動車シンポジウムEVS25で研究成果を発表したところ、ニュージーランドのAuckland大も我々のH型コア構造と同じ巻線構造のFlux Pipeと呼ぶコア構造を発表した。我々が2009年から研究してきた方式の正しさを確認できたが、今後電気自動車用の非接触給電の研究開発競争がますます熾烈になると思われる。
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