静岡大学浜松キャンパスに設置した雷撃ビデオにより正極性単一落雷の雷道の測定結果が2例得られ、同時に電磁界の測定結果も得られた。正極性雷に関しては負極性雷撃とは異なり、雷撃モデルも詳細には検討されていないため、モデルを含めて雷撃距離等を検討する際の貴重なデータが得られたと考えている。LLSデータにより推定された電流値を用いて、雷撃距離を計算し、実測された雷撃距離と比較した。この結果、2例とデータ数が少ないが、正極性雷発生時に実測された雷撃距離は通常配電線への直撃雷か誘導雷かを決定する際に用いられている式で計算される雷撃距離よりも長いことが明らかになった。また、正極性雷が発生する前にはK-changeと呼ばれる雲内放電が何れも帰還雷撃に先行し、上空では放電路は水平に長い距離進展していた。九州電力の協力を得て、高速度雷カメラを都城地区に設置し、電流観測を行っている鉄塔を視野に含めて観測している。データは得られていないが、新燃岳の噴火など予測不可能な事態が発生したにもかかわらず、測定系は正常に動作し、無人観測を実施しても問題は無いことが判明した。 インパルス高電圧発生器の等価回路を精密化し、発生する電圧及び電流の予測精度を向上させた。得られた等価回路に基づいて、短波尾雷インパルスを発生させ6号中実がいしのv-t特性を求めた。v-t特性は、10号碍子を供試器とした場合と同様にの特性を示し、右下がりのグラフとなった。
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