研究概要 |
本研究の目的は,耐インバータサージ性能の評価技術を確立し,その有効性を明らかにすることと,この手法を用いてインバータ回路用絶縁材料の評価手法の標準化を進めることである。最終年度のH23年度の最大の課題は,昨年度までに開発が完了した部分放電開始電圧自動計測システムを実用化することである。H21,H22年度において技術的構築は順調に完了したので,学会での発表や,電気学会調査専門委員会での活動を通して企業へのPRを推進した。その結果もあって,国内の絶縁材料メーカーが,本装置をエナメル線の耐インバータサージ性能評価装置として導入することを決めた。製作および技術指導を愛媛大学が担当し,H23年度の半ばから製作を開始し,10月の時点で無事に納入することができた。本装置の特徴やこれを用いた評価結果例を学術誌に論文として投稿した。 H23年度はこの装置を用いて,部分放電現象に対して,電源側の諸特性が及ぼす影響について詳細に検討した。既に市販されている電源と比較しながら,サージの立ち上がり,立ち下がり時間や,出力インピーダンスと,部分放電開始電圧との関係を詳細に調べた結果,部分放電開始電圧はパルスの立ち下がり時間に大きく依存することを実験的に証明した。
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