研究概要 |
本研究は『廉価な負荷装置を用いつつも線路損失と電流容量を低減できる三相方形波配電システムの実用化という新たな産業分野を創出する事』を目的としている。 平成22年度(第2年度)では、まず、「整流器と三相変圧器の利用率の評価」(平成21年度からの継続課題)を行い、理論的および実験的に三相方形波配電システムおける整流器と三相変圧器の利用率が従来の正弦波配電システムの場合より勝っている事を明らかにした。 さらに平成22年度(第2年度)では、「整流器出力側への波及効果」(平成22年度開始の課題)を行った。本課題では、直流フィルタ用キャパシタ・インダクタの定格やストレスに関する理論的および実験的検討を行った。具体的には、従来の正弦波電圧配電システムに於けるPWM整流器の場合と提案する方形波電圧配電システムに於けるダイオード整流器の直流フィルタ用キャパシタ・インダクタについて、必要とされる定数,定格,電圧・電流ストレスを比較・吟味し、方形波電圧配電システムの有用性を定量的に明らかにした。また、チョークインプット形ダイオード整流器負荷の場合について、方形波電源の周波数が動作特性に与える影響を検討した。 平成23年度(第3年度・最終年度)では、商用周波数(50Hz)での実験を継続して回路各部の挙動を分析すると共に、運転周波数(方形波インバータの運転周波数、即ち負荷整流器の入力電圧の周波数)を商用周波数より上げて変圧器,インダクタ,直流キャパシタの小型・軽量化を行う場合についての提案システムの動作についての解析と実験的検討を行い、提案システムがもくろみ通りに動作する事を確認した。
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