研究課題/領域番号 |
21560320
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
武山 真弓 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80236512)
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研究分担者 |
野矢 厚 北見工業大学, 工学部, 教授 (60133807)
町田 英明 気相成長(株), 代表取締役 (30535670)
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キーワード | ナノ材料 / ホウ化物 / ナノコンポジット / 抵抗率 / Zr-B |
研究概要 |
昨年度までの研究成果として、ZrB2化合物をとるような組成のあるいは若干B-richなZrBx膜を形成した場合には、基板加熱なしの状態から、500℃程度の基板温度とした場合まで、基本的にZrB2相が得られやすいことが明らかとなった。また、組成を変化させた場合でも、導体の上では、基本的にZrBx膜は低抵抗な材料として振る舞い、絶縁体上では絶縁物に近い膜として振る舞うという特異な特性を保持することがわかった。 本年度は、ZrBxNy膜の作製を行うにあたり、Cu配線のメタルキャップ層を念頭においているため、200℃程度以下で行う、新たな窒化物成膜手法について検討を行った。具体的には、申請者がこれまで反応性スパッタ法にて成膜してきた低抵抗な材料であるZrNx膜を200℃程度以下で作製することを目標として検討した。その結果、スバッタ法にラジカル窒化を組み合わせた新たな手法を開発し、それを用いてZrNx膜の作製を行ったところ、従来400℃で反応性スバッタ法にて得られたZrNx膜の特性に匹敵する優れた特性の膜が従来よりもはるかに低温で得られることが明らかとなった。この成膜手法は、原理的に基板加熱なしの状態でラジカルを用いることで窒化反応を促進するというものであり、本研究結果においても全く基板加熱なしの状態でもZrNx膜が得られている。ただし、反応温度という観点では極めて低いことから、従来の反応性スパッタで作製したZrNx膜よりは、膜密度は若干低くなるものの、CVD/ALD法で得られた膜と比べると、その密度は高くなることが同時にわかった。
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