交流課電時における耐トリーイング特性の向上を図る目的から、アゾベンゼン系化合物とAl_2O_3ナノ粒子の両方をLDPEに添加した高分子複合ナノ絶縁材料を作製した。試験の結果、複合添加によりトリー発生電圧が上昇することが明らかになった。その上昇率はアゾベンゼンの種類に依存する。最も高い上昇率は300%で、アゾベンゼンが2.0wt%、Al_2O_3が3wt%の試料で測定された。また複合添加は、特にトリー潜伏期間におけるトリーの発生速度を無添加試料の1/2000以下に抑制する効果もあった。しかしこの抑制効果は、アゾベンゼンの添加濃度の変化と印加電圧の変化に大きく影響を受けることがわかった。
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