研究課題/領域番号 |
21560331
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
浅田 裕法 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70201887)
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研究分担者 |
仙波 伸也 宇部工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (40342555)
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キーワード | スピンフィルタ / 強磁性半導体 / 強磁性トンネル接合 / スピンエレクトロニクス / IV-VI族半導体 |
研究概要 |
本年度は、GeMnTe/EuSスピンフィルタ型磁気トンネル接合素子(MTJ)においてEuSとGeMnTeの磁化の平行・反平行状態を得るために、成長温度や構成を変えた積層膜を作製し、主に磁気特性について検討を行った。InP(001)基板上へのGeMnTeの成長については、ZnTeバッファ層について検討した。 1.GeMnTeは成長温度を変えると磁気的特性が変化することがわかっている。そこで、今回、GeMnTeの成長温度を270℃と高くしたGeMnTe/GeTe/EuS/GeTe積層膜を作製した。磁界を膜面内方向に印加することで、わずかではあるが2段のヒステリシス曲線を得ることができた。また、EuS上にGeMnTeを積層したGeMnTe/GeTe/EuS/GeMnTe積層膜を作製しGeMnTe/EuS間の交換相互作用を利用することで磁気特性の変調を試みた。磁界を膜面直方向に印加した場合に、こちらもわずかではあるが2段のヒステリシスが得られたことから、層構成および成長温度をかえることで磁気特性を制御できることがわかった。 2.InP(001)基板においてZnTeをバッファ層としたGeMnTeの成長を行った。成長温度を225~325℃と変えて成長させたところ、キャリア濃度は成長温度の上昇とともに8.4×10^<21>から5.6×10^<20>cm^<-3>に減少した。また、ZnTeバッファ層を用いない試料に比べ、高い移動度が得られた。次に、InP基板上にEuS単層膜(130nm)の成長を行ったところBaF_2基板に比べ、急峻かつ低保磁力な磁化曲線が得られた。AFMによる表面観察においても平均面粗さRaはBaF_2基板の場合と比べ小さな値となった。
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