研究課題
本研究の目的は安価なSi基板上にSiC(シリコンカーバイド)/ナノ結晶ダイヤモンド半導体パワーデバイスを製作する基盤技術を確立することにある。21年度は、マイクロ波プラズマCVD装置を用いて、p型Si基板上にSiC薄膜を成長させ、さらにその上にn型ナノ結晶(μc)ダイヤモンド薄膜を成長させるための最適化条件確立およびデバイス製作のための基礎実験を行なった。Si基板上の3C-SiC/ダイヤモンド薄膜の成長1.SiCの結晶成長第一段階として、マイクロ波プラズマCVD装置でメタンガスを用いてSi基板上を炭化させることにより、SiC薄膜を成長させる最適条件を確立した。SiC薄膜の評価にはRHEED,X線回折、XPS・SIMS等の表面分析などを用いて評価を行った。2.ナノ結晶(μc)ダイヤモンドの結晶成長Si基板表面を炭化させSiC薄膜を成膜した後に引き続き、μcダイヤモンド膜の成長を行なった。μcダイヤモンド膜の成膜の最適条件はSi基板上のそれとはやや温度などが異なる事が分かり、その最適条件をSiC基板を用いて見出した。また、デバイスの基礎実験として、p型Si基板上にn型μcダイヤモンド膜を成長させ、pnダイオードを製作することに成功した。今後は整流比の高い高性能なデバイスを製作するために、p型Si基板上にSiC膜をいかに整合性をもって成膜し、n型μcダイヤモンド膜成長条件の最適化を図ることを予定している。
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