高周波超音波厚さ計により、縦波・横波音速を測定し、圧電性と材料定数(ヤング率・ポアソン比等)との関係を調べ、鉛系及び非鉛系圧電セラミックスでの高圧電化のための指針を明らかにした。高圧電性が得られる組成は低ヤング率・高ポアソン比からなる。これはDC分極時に材料自体が軟らかいと、分極による変形が容易になることに由来する。又、横方向の変位が容易に縦方向の変位に追随することに対応している。更に、分極前後でほぼ同じ傾向を示すのは、材料自体に高圧電性の起源があるものと考えられた。以上のように、これまでの化学組成探索手法から、圧電セラミックスの材料定数面より「高圧電性」を探索すると云う新な手法を開発できた。
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