研究課題
赤外線カメラを用いることにより、ミリ波・サブミリ波帯の高電力発振管であるジャイロトロンの性能評価法を確立することが本研究課題の目的であった。平成23年度は本研究課題の最終年度であり、前年までに確立した赤外線カメラを用いる性能評価法を実際のジャイロトロンに適用した。1.ガウスビーム変換器内臓ジャイロトロンの性能評価昨年度、ジャイロトロンの共振器で発振した電磁波の空間構造を整形し、ガウスビームに変換する変換器を内蔵するジャイロトロンFU CW GIおよびFU CW GIIを開発した。昨年までに本研究課題で確立した手法を用いて、これらのジャイロトロンの性能評価を行った。ガウスビームに変換された後の放射ビームの形状測定からは、共振器での元々の発振電磁波モードを同定することは難しいが、モード変換が起きる物理機構の基に提案した本研究課題の赤外線カメラによる発振モード同定法を、FU CW GIIに対して適用し、このジャイロトロンでも、モード同定を行うことができることを示し、本課題で確立したモード同定法の有効性を実証した。また、近い磁場強度で発振する異なる発振モードに対して、放射パターンの形状の違いだけでも、モード同定する例を新たにみつけた。2.外付けガウスビーム変換器の性能評価パルスESR実験用の光源として開発されたジャイロトロンから実験装置までビームを伝送するための伝送系を設計し、赤外線カメラを用いてその性能評価を行った。その結果、パルスESR実験装置の位置で、設計通りの円形断面をもったガウスビームとして電磁波を伝送できていることを実証した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (13件)
Journal of Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves
巻: 33 ページ: 292-305
DOI:10.1007/s10762-012-9881-2
Plasma and Fusion Research
巻: 7 ページ: 1206003
DOI:10.1585/pfr.7.1206003
巻: 7 ページ: 1205004
DOI:10.1585/pfr.7.1205004