3次元画像情報に関する研究では、以下のように、異なる視点からAxi-Visionカメラで撮像した複数の2.5次元画像情報(カラー画像と距離画像)を統合して、半遮蔽の少ない3次元画像情報を構築した。 (1) 異なる視点から撮像した複数の距離画像にICPアルゴリズムを適用し、それらの位置関係を表す回転行列Rと並進ベクトルTを求めた。この際、ローパスフィルタで距離画像を前処理し、距離画像の粗い階調を補完するとともに雑音を低減することが、ICPアルゴリズムが有効に機能して正確なRとTを求めるために有効であることを見出した。 (2) 結合すべき複数の2.5次元画像情報(カラー画像と距離画像)を、それぞれのRとTを用いて共通の座標系に展開して統合することにより、3次元画像情報を構築した。また、隣接する画像間の重なり部分は重みを付けて合成し、滑らかな結合を実現した。 (3) 構築した3次元画像情報を、メインデータと半遮蔽部を表すサブデータに分ける形式で記録することにより、効率の良い3次元画像の表現と記録法を実現した。 微小光素子に関する研究では、立体表示用微小光素子をポリマーで安定に作製する技術に取り組み、以下のようなSU-8光微小素子を試作した。 (1) 静電駆動型微光小素子に不可欠な中空構造を作製するための犠牲層材料として、従来のアルミニウムをレジスト材料(LOR)に替えるプロセスを確立した。これにより、回折格子型光変調素子を全ポリマープロセスで作製する手法を確立した。 (2) SU-8に添加する発光材料としてローダミン6Gと希土類錯体(Eu-Al)のそれぞれをSU-8に高濃度でドープする手法を確立し、光励起して発光することを確認した。 (3) ナノインプリントでSU-8の微細構造を成形する技術を確立し、光導波路とDFBレーザーの試作と動作実験に成功した。
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